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ゆにわのうたひ

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あわのうた (1)

「秀真伝(ホツマツタヱ)」という古文書がある。
一説によれば偽書、はたまた縄文中期の貴重な文献で古事記のもとになった書物とも言われる。

私がこの書物に興味を抱いたきっかけは、巫女の友人の家に遊びに行った時の事。
机の上にあった「言霊〜ホツマ/鳥居 礼 著」のページを、何気なくめくっていると「葛垣打琴(かだがきうちのこと)」という文字が飛び込んで来た。そこではたと思い当たる事があり、しばらく呆然となってしまった。

というのも僕自身、何年か前のファッションショーのイベントで音楽を担当した際に、たまたま和的な音が欲しいというオファーを受けて、普通の十三弦を太めの菜箸で叩くというスタイルで演奏した事があった。以降これが定番となって「琴を叩く=打琴」というのが、僕にとってのキーワードになっていたのだ。あくまで思いつきの事...と思っていたのに、実は古くからある奏法で、出雲大社では琴のボディーだけのものをバチで打つというものもあるという。

そんな事で、すっかりこの書物に心を奪われて、完訳本まで手に入れて読みあさった。
そこで出会ったのが「あわのうた」だった。

「あわのうた」
アカハナマ  イキヒニミウク
フヌムエケ  ヘネメオコホノ
モトロソヨ  ヲテレセヱツル
スユンチリ  シヰタラサヤワ

この57調の48音の歌だが、いろはうたと同じように言葉を覚えるのに使われたらしい。
面白いのがこの歌を琴の音に合わせて歌うと「五臟六腑が整い、声が明るくなる」と言われていること。少なからず医術に関わる者としては試さないでおく手はない。

そんな思考錯誤の中で生まれたのがCD「あわのうた」だ。
この作品を作った頃、各地の神社での奉納やライブでこの歌をお客さん達と歌ったが、いつも会場の空気がスーッと澄んでいくのが分かった。もちろん皆で声を出すという行為のお陰でもあるが、合唱練習をしたからといってこうはならない、やはりこの歌に宿る「言霊」のなせるわざではないかと思っている。余談だがDJをしている友人は、地下室の濃密な空気の中でプレイしたとき、会場の空気があまりに重いので試しにこのCDをかけてみたら、スーッと場の空気が晴れたという話をしてくれた。

今現在、ことばに対する感性は、例えば「水からのメッセージ」のように、波動結晶という目に見える形で認識されつつあるとは思うけれど、実際の感性自体は「コトダマ」という言葉の流布ほどには浸透していないように思える。

いにしえの日本人が、どんな風に「ことば」そのものにマジカルなパワーを感じていたのか...

興味のつきぬところである。
by yuniwauta | 2005-01-30 22:50 | かむながら

ゆにわ主宰          歌島のひとりごと 


by yuniwauta
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