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サマディツアー体験記<6日目 その5 クンムメラ巡礼>

サマディツアー体験記<6日目 その5 クンムメラ巡礼>_c0037400_20381578.jpgババジの先導によって夜のメラ巡りが始まった。

全員でバスに乗り込み移動...となったが、橋の所で立ち往生。
この橋はメラの期間だけの仮設で、巨大な樽をいくつも浮かべた上に板を敷いたような感じ。
それでも普通車なら問題なく通行できる結構丈夫なものだったが、さすがにバスは無理なので歩いて渡る事になった。
かえってこの方が空気や音を感じられていい。
この時間は気温も快適、オレンジっぽい電灯や色とりどりの電飾が遥か彼方まで続いてそれが川面に移っているのが美しい。

サマディツアー体験記<6日目 その5 クンムメラ巡礼>_c0037400_21105555.jpg橋を渡ってしばらく行くと、今度はテント群の中へ。
テントを覗くとあちこちに祭壇があったり、修行者らしき人がこちらを見ている。
通路はサンスクリット語の詠唱とお香の香りで充ち、暖をとる火も何だか神聖に見える。

サマディツアー体験記<6日目 その5 クンムメラ巡礼>_c0037400_211225.jpg<<奥にあった祭壇。
ガムランのような鉄製の鐘を鳴らす音が続く中、多くの人が礼拝をしていた。




ヨグマタとババジが先導して、ここに建ち並ぶ様々な聖者や高僧のテントを回った。
が、何せ60人弱のツアー、テントは場所によっては狭くて、全員入りきれなかったり話が聞こえなかったりしたが、次々に訪れるテントでプラサードのお菓子が配られて、まるで幼い頃にお大師さんを巡った時のような感じがした。


サマディツアー体験記<6日目 その5 クンムメラ巡礼>_c0037400_21191997.jpg実際幾つものテントをはしごしたのだが、特に印象に残っているのがこの方。(写真中央でオレンジの布を冠った方)
40年間、一日に50cc程度のジュースだけで生きているという、つまり固形物は一切口にしていない。50ccと言うとヤクルト1本に満たない。
暗くて写真がボケてしまったが、まるで童話の本から出て来た木の精か何かでは無かろうかと思うほど、優しくて軽いエネルギーの方だった。

サマディツアー体験記<6日目 その5 クンムメラ巡礼>_c0037400_21293244.jpg
<<このテントには髪の毛の長いサドゥがたくさんいた。
失礼な話、この手の方の髪の毛ってもしかしたらちょっと匂うのでは?という先入観があったのだが、いつもビブーティ(聖なる灰)で洗ってあるらしくとても清潔で香木の香りがした。

サマディツアー体験記<6日目 その5 クンムメラ巡礼>_c0037400_2351330.jpgサマディツアー体験記<6日目 その5 クンムメラ巡礼>_c0037400_23511636.jpg
他にも虎の皮を一匹丸ごと羽織ったサドゥや、体中に菩提樹の数珠を巻き付けた者、裸で体中に灰を塗ってひたすらダマルを鳴らし続ける者。
広場には幾つか火が焚かれていて、そこには後ろ髪の一房を残して髪の毛を剃り、ふんどし一枚でシヴァ・マントラを唱え続けるサドゥの一団がいた。
この方々は新しくサドゥになった人たちという事らしい、家族も仕事も財産も全て捨てて、身一つでこれから魂の探求のみの人生を歩む覚悟をした人たちだ。
皆純粋な感じで、楽しそうなのが印象的だった。
『出家』と聞くと、普通日本で考えると結構ワケアリ的で暗い印象があったりしなくも無いのだが、この方々を見ると『出家って楽しい!』みたいな感じがする。
実際こういう修行者を尊敬して支える文化があるインドでは、出家によって日々の労働やしがらみから開放されるし、食べ物には困らないから結構幸せなのかもしれない。
もちろん社会的成功や、パートナーや、様々な俗的な欲望は全て捧げなければならないのだから、それはそれなりに厳しいものなのだとは思われる。
(この方々の写真もあるのだが、途中で『サドゥの写真は撮らないように』と言われているので、公開は控える。)

そうして夜も更け、この濃密な一日は終わった。
自分たちが覗き見たのはメラのほんの一角に過ぎなかったが、それでも充分にこの国の根底にある精神文化の層の厚さを感じられたように思った。
by yuniwauta | 2007-02-12 22:03 | 瞑想

ゆにわ主宰          歌島のひとりごと 


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