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カテゴリ:尾道残照( 4 )

おのみちこみち(3)

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尾道というと「寺と坂道」という印象が多いのだけれど、ここには神社もある。
中でも艮神社は僕のお気に入りで、昔からよく来ている。
この神社の脇には千光寺に抜ける猫道があるし、近くのロープウェイ乗り場付近には有名な「コモン」というワッフル屋さんがある。
境内の中には巨大なクスノキに御神石まで揃っていて、こじんまりとしているが、さながら「神社幕の内弁当」とでも言った感がある。

後で知ったのだが、ここは両親が結婚式を挙げた神社でもあった。
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by yuniwauta | 2005-09-18 17:57 | 尾道残照

おのみちこみち(2)

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尾道といって、僕がまず思い出すのはこのフェリーだ。
尾道水道の僅かな距離を毎日行ったり来たりするこのフェリーは、島に暮らすものにとっては重要な足だったりする。
確か9時くらいには終わってしまうので、子供時分にそれ以上夜遊びをしたときなど、ずっと先にある尾道大橋まで長い坂を自転車をこいで行かねばならず、「フェリーの就業時間=門限」に近い印象があった。

中学3年の頃、親の仕事の都合で向島から福山に引っ越すことになったが、僕にとって尾道は離れがたく、往復2時間以上もかけて電車を乗り継ぎ、このフェリーを使って中学校に通った時期もある。

ほぼ自転車で満杯になったフェリーが岸につき、鉄製のはしけがバーンと開くか開かないかのうちに、自転車をこぐ学生たちがまるでイナゴの軍団のように一斉に岸へと駆け上がる。
ここは大林監督の「さびしんぼう」の中のシーンにも出て来るが、僕が物心ついた頃から、この風景はちっとも変わっていない。
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by yuniwauta | 2005-09-18 17:43 | 尾道残照

おのみちこみち(1)

ちょいとエッセイ風に...
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ひょんな気まぐれから、今回の尾道帰りは実家に泊まらず別に宿をとることにした。
とはいえ向島にある宿など、普通なら用がないので知る由もない。
車で島の海岸通りをひた走りに走って、偶然行き着いた宿にでも泊まろうということになり、たまたま行き着いたのが「ホテルおか島」
向島の小歌島(おかじま)にあるこじんまりとしたホテルだ。

階下の浴場で一日の汗を流して浴衣に着替え、しばし久方の潮騒に耳を傾けていたのだけれど、ふと思い立って海の方に行ってみた。

突然思い出したように夏が帰って来た月曜の夜。
営業の終わった福本渡船の立ち入り禁止札をまたいで(*1)停泊してあるフェリーから尾道駅を眺めると、そこには今までには見た事もなかった尾道の姿があった。

駅前にモダンなホテルが立ち、あの素朴だった港町の風情は失われた感があったが、商店街は意外と賑わい、活気があった。
この街の灯が、夜になって静まった海に映っていたのだ。

いつになく、海は静かだった。
まるで巨大な水たまりのように、たよたよとした水面。
ここには、かつて千光寺山の頂きにあった「千里彼方まで照らす石」が沈んでいると言われている。
その石とは何だったのか?

石は沈んでもなお、海底から光を放っていたとも言われている。
当時はもっと海が澄んでいたであろうし、海底からの光に照らされた尾道水道の夜は、さだめし幽玄な景色であったろうと思われる。

今、この海を、近代化されたネオンが照らしている。
それでもなお、この海は美しいと本当に思った。

(*1)立ち入り禁止札は越えてはいけません。
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by yuniwauta | 2005-09-15 21:55 | 尾道残照

原風景

昨日今日と二日間、久しぶりに尾道に帰ってきました。
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自分の原風景に浸りたくて、今回は家族にも帰る事を告げず別に宿をとり、妻と二人で子供の頃に遊んだ尾道や向島のあちこちを巡りました。
写真は僕の生家がある「歌」という地区の桟橋と近くの海です。

ここでよく釣りをしたり、行き交う船を日がな一日ボーッと眺めたりしていた子供時代でした。

瀬戸内の海は波があまりありませんが、高速船やフェリーなんかが通ると少し高い波が立ちます。
そうしてできた波は、その後ゆっくりと時間をかけて岸の方にやってきます。
波の突端は少し影ができるので、それをジーッと追っかけているとそのうちにバシャーン!と来る訳です。
船が通り過ぎてから波が来るまで、時間にして2〜3分くらいでしょうか?
で、そうこうしているとまた次の船が来る。
波がやってくる......

そうして通り過ぎた船が、遠くの島影の向こうに消えて行くまでボーッと眺めていると、いつの間にか足下の海面が少し高くなっている.....
という感じで一日が過ぎていくのでした。
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こうなると、外的な刺激はほとんどないので、自分がいるんだかいないんだか、生まれてきたんだか死んでいるんだか、よく分からないような気分になって...それが日常であったのですが、頭の中だけは常にとりとめもない事を考えていたりして、それが唯一「生きているんだなあ」と感じられるところだったりしていたものです。

例えば....
「目玉という奴は、夜中にこっそりとこの体を抜け出して、どこかに遊びに行ったりしているらしい。
その証拠に、夜中に不意に尿意をもよおして起きたりすると、何だかふらふらと足下がおぼつかなかったりするけれど、あれは、目玉の奴が焦って戻って来るもんだから、右と左を間違えて戻って来たりするからなんだ。
それから、今までに見た事もない場所なのに、何だか以前に見た事がある風景に出会ったりする。
あれは、目玉の奴が前に遊びに来た事があって、その時見た事を覚えてるからなんだ。....」

と、こんな感じで....
要するに始終、ボーッとしていた訳です。

この風景を眺めていると、そんな子供の頃の感覚が否応無しに蘇って来るのでした。

他の人にとっては何の変哲もないただの田舎の風景でも、自分にとってはかけがえのない風景だったりする....
それは、自分自身の心の影のようでもあったり、体の一部のような感覚だったり....
この土地から感じたエネルギーは、紛う事なく僕の心や体の素型であり、母体でした。
生まれた土地を離れて20年になりますが、今回あらためてこの原風景というものが、分ちがたく自分と結ばれている事を知って、静かに感動しました。

そこは、パワースポットでも聖地でもないのだけれど、へその緒のように自分にエネルギーを与えて続けてくれている大切な大切な場所だったのです。
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by yuniwauta | 2005-09-13 23:07 | 尾道残照

ゆにわ主宰          歌島のひとりごと 


by yuniwauta
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