人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ゆにわのうたひ

yuniwa.exblog.jp ブログトップ

大野一雄先生

日本の誇る舞踏家、大野一雄。大野一雄先生_c0037400_0253798.jpg
僕は掛け値なしに言う。
東京での14年間の暮らしの中で、本当に価値のあるものに出会ったと思えたのは、「大野一雄の舞踏」を生で見れた事。
これは、これからもずっと変わらない。

僕が始めて大野先生の舞踏を見たのはチケットぴあ。
蓮の花一輪を手に持ち。ただたたずんでいる写真があった。
でもその写真は、他のどんな商業写真よりもひときわ輝いていた。
何だこれは?
こんな一刹那がこんなに絵になる人って、何なんだ?
若い日の僕には到底理解を越えた存在だった。
ただその本人が見たい一心でチケットを買った。

始めて大野先生の舞台を見たのは半蔵門のFMホール。
三味線は本条秀太郎さんで平家物語の語り三味線をバックに大野先生の舞踏。
ステージの右から左へ、左から右へと歩く。
これを3往復。
約1時間。
やっと呼吸が元に戻ったのはホールを出てしばらくしてからだった。
唖然とした。
それまでは、この世界で最も素晴らしいものは音楽だと信じていた。
音楽こそ、この世で経験することのできる最高の美だと......
しかし、大野先生の舞踏以上に美しいと感じる音楽には、未だ出会っていない。
ワーグナーの「トリスタンとイゾルデの前奏曲」とマスネの「タイスの瞑想曲」くらいかな?
それくらい、僕の中の「美学」という側面を根底からひっくり返してくれたのが大野先生の舞踏だ。

もう、本当に大好きだ。
どんなに言っても語り尽くせない。
難しい言葉も言えない。
とにかく、僕の中で「こんな人は世界中どこ探してもいない。」
それだけだ。

以前、先生がお元気だった頃。
横浜の稽古場で、誰でも稽古を受ける事ができた。
でも、僕は怖くて行けなかった。
この自分の臆病さを今でも悔やんでいる。
悔やんでも悔やんでも悔やみきれない。
先生から直接指導して頂ける貴重な機会だったのに......

でも、僕の人生の中で「大野先生の舞踏を生で見た」という事だけでも大きなステイタスなのだ。
これほどまでに、自分の人生に衝撃と発見をもたらしてくれた芸術は他にない。
本当に尊敬しています、先生!

今も時々、北海道で公演をされているらしい。
もう足が不自由なので上半身だけ、椅子に座って踊られる。
生きておられる間に、もう一度お会いしたいです。

大野一雄舞踏研究所
by yuniwauta | 2005-03-07 00:26 | 雑記帳

ゆにわ主宰          歌島のひとりごと 


by yuniwauta
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31