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ゆにわのうたひ

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聴覚の個人差

最近我が家に可愛い機械が登場しています。
その名もタンプーラマシン

インド音楽などを聞くと、歌や楽器のバックでビヨ〜ンと鳴り続けている楽器がタンプーラです。
ずっと持続音(ドローン)を奏で続ける楽器なので、僕ははじめこれはオルガンのようなリード楽器かと思っていました。しかし実際には4〜5本の弦が張ってあるギターよりも大きな弦楽器で、弦の端のところにジャワリという弦の振動をビビらせる(こんな表現でいいのかな?)ところがあり、それがあのビヨ〜ンサウンドを作っている訳です。
今回我が家に来たタンプーラマシンは、この音色を電気的に発生する装置。
妻が声楽の練習用に購入したのですが、いつでもどこでもあらゆる場所をカレー味にする事ができる不思議な機械です。

と、前置きが長くなりましたが、先日、これを鳴らしながら食事をしておりました。
かつて、僕の心の師である音楽家のラモンテ・ヤングが「完全5度の鳴り響く空間で生活した場合の精神的効果」について実験していたのを思い出しましたが、このビヨ〜ンは聞いているだけで落ち着くし、何を食べていてもインド料理のようになる...いえ、美味しく感じられるような気がするな〜と思っていました。

ちゃんと倍音の成分まできれいに再現されているので感心していたのです。
そこで、何気なく僕が妻に「この倍音のメロが気持ちいいよね〜!」と問いかけたら「その音は聞こえないよ」という返事が返ってきました。
「はて?」と思い、何度もそのメロを歌ったりしてみるのですが、妻にはその音は聞こえないというのです。
そこで、ある事を思い出しました。
聴覚には個人差があるという事。

ちょっと小難しい話かもしれませんが、人の耳は20〜20000Hzあたりが可聴領域と言われておりますが、実際には少し偏りがあり、完全に全帯域をまんべんなく聞き取れる人はそう滅多にはいないでしょう。
大まかに別けても低域型、中域型、高域型の3種類があると僕は思っています。
例えば歌ものの曲を聞いていても「歌」を中心に聞いていると人もいれば、「ベース」を中心に聞いている人もいますし、もしくはリバーブ音や後ろで鳴っているシンセなどの空間音についつい耳がいってしまう人もいます。

楽器をやっている人なら、専属の楽器を中心に聞くのは分かりますが、そうでなくてもこのように人によって聞き取っている周波数に違いがあるんですね。
今回のタンプーラマシンでも、妻は実音の低音部分を、僕は上の倍音部分を中心に聞いていたのです。

そういえば最近は気をつけていますが、以前は僕が作る音は「低音がない」とよく言われました。自分が聞いている分には高倍音の中でいろんな音が入り交じるように作っているので、これ以上音を足せないと思っていたのですが、普通に聞くと低音がない音楽になっていたのですね。
どうやら以前は極端な「高域偏重型」だったようで、どうりでグラウンディングできてなかったはずです(苦笑)

このような失敗談はさておき、実は同じ音楽を聞いていても、それぞれの耳の特性によって違った聞こえ方をしているという事実、これって面白いなとあらためて思いました。

よく「目玉を取り替えて世界を眺めてみたい」なんて言いますが、「耳を取り替えて音を聞いてみる」というのも面白そうです。
「面白く生きてる人は、きっと世界の音も面白く聞いているに違いない...」
と密かに思ってしまうのでした...
by yuniwauta | 2006-01-27 01:24 | おとだま紀行

ゆにわ主宰          歌島のひとりごと 


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