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ゆにわのうたひ

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サマディツアー体験記<7日目 その2 アラハバード>

今日は多少番外編

サンガムでの沐浴を終えた後、この日は夜11時過ぎにアラハバードからパトナへの寝台特急への移動だけしか予定が無かったので、アラハバードのホテルでようやく念願の自由時間が2時間ほど貰えた。
長いツアー中、やはりプライベートで動ける時間というのは息抜きにもなるし、バスからではなく自分の足でインドの街を歩きたかったので、大喜びで飛び出した。

まずはやはり音屋の宿命、街のサウンドスケープにどうしても集中してしまう。
インドの市街はどこもそうなのかどうか分からないが、ここの街の音は『常に鳴りっぱなし』
車の音、リクシャの音、クラクション、人の声、全てが妙に隙間無くフォルテッシモで鳴り続けているように感じた。
バスやトラックから普通車、オートリクシャ、トラクター、自転車、ロバ、牛、徒歩と、各種のタイム感が同居しているせいだろうか? このドローン的なノイズの集積には独特の密度を感じた。

本当はCDショップか雑貨屋に行きたかったのだが、生憎無さそうだったので、とりあえず道路脇にある店を観察してひたすら歩いた。
原宿にあっても大丈夫そうなモダンなブティックがあったかと思うと、菜種油のランプしかついてない絨毯屋があったり、コスプレショップのようなド派手原色のサリー屋の隣で籠に入れた野菜を売る行商がいたりする。
貧富の層や時代まで違うような雰囲気の人々、しかし当然街を歩く人は別にそれを気にする風も無く、それぞれのライフスタイルに合った場所で買い物をし、それぞれの生活を支えているようだった。
多層な価値観、折り重なる時間(菜種油ランプの下と蛍光灯の下では、同じ夜でも時間の密度が違う)、様々なスピードの乗り物、途切れない音。

はじめに出会ったチャイ屋で2杯のチャイを買う。
相場が分からなかったので、とりあえず手持ちの一番少額紙幣だった10ルピー(30円程度)札を渡すと、おやっさんはおもむろに何か用事ができたとでも言わんばかりに自転車に乗って行ってしまった。
おつりを取りに行ったのかと思い、少し待っていたが帰って来ないので諦めて移動。
暫くして、もう一杯チャイが飲みたくなったので、小学生くらいの子供がやっているチャイ屋でもう2杯頼む。
さっきの事が気になったので、はじめに『幾ら?』と聞くと『4』と答える。
ああ一杯4ルピーかと思いきや、10ルピー札を渡すと6ルピーのお釣り。
じゃ、さっきのおやっさんは逃げたのか.....?
要するに万事こんな感じなのだなと思う。
ここで『騙された』と思えば腹も立つだろうが、『一杯やられたぁ...』と思えばご愛嬌。
チャイ程度の損失で良かった、個人旅行ならもっと大変なんだろうなと思うが、それは次回に味わおう。
ともあれ、一杯2ルピーだった少年の入れたチャイはやたら美味かった。

夕食の後、アラハバード駅に移動。サマディツアー体験記<7日目 その2 アラハバード>_c0037400_2265779.jpg
寝台特急に乗り込むのだが、夜だからか多くの人がホームに毛布をひいて寝ていた。
ツアー中、ここまでは大した遅れに逢わずにきていたのだが、ここではじめての大幅な遅れ。
11時過ぎに来るはずの電車が12時になってもまだ来ない。
何でもインドの特急は3時間遅れくらいが普通で、酷い時には1日くらい遅れる事もあるとか?
夜も更け気温も下がってきた。

こうなると暇つぶしに駅構内を探検したくなる。
キオスクでチャイを売っていたので、寒さ凌ぎに買ってみる。
ここは昔ながらの素焼きコップのチャイ。
素焼きコップ独特の風味が効いて、独特な味わいだった。

それともう一つ気になっていた、駅の中でやたらベカベカ光るイルミネーションを放つ物体(写真)
サマディツアー体験記<7日目 その2 アラハバード>_c0037400_212326.jpg何かと思えば体重計。
足を乗せて1ルピー硬貨を入れると、ブーンと音がして切符のような診断結果が出て来る。
体重55キロ、ラッキーナンバーは1、あとはヒンディー語で何かメッセージみたいなものが書かれていたが読めないので分からない。
体重を計るのが娯楽なのか?という疑問も残るが、僕が55キロな訳ないでしょう?と突っ込みたくもなった。
友人に聞くと、どうやら計る旅に違うらしい...

結局電車が来たのは予定時刻を3時間半ほど過ぎた頃。
しかし、不思議だったのは、ツアーメンバーの誰も『電車が遅い!』と文句を言わなかったし、自分も思わなかった事。
むしろ遅れる事を楽しんでいたし、駅のホームで堂々と寝転んだりするのは結構気持ちよかったりした。

電車は到着すると、どんなに遅れていようが停車時間だけはきっちり3分とか5分と決まっているので、乗り込む時はなかなかの修羅場だった。

3段ベッドの寝台車は決して快適そうでは無かったのだが、その夜はツアーの山場を過ぎてホッとしたのか、まどろむ間も無く深い眠りに落ちた。
by yuniwauta | 2007-02-22 02:28 | 瞑想

ゆにわ主宰          歌島のひとりごと 


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