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ゆにわのうたひ

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2005年 09月 13日 ( 1 )

原風景

昨日今日と二日間、久しぶりに尾道に帰ってきました。
c0037400_04934100.jpg
自分の原風景に浸りたくて、今回は家族にも帰る事を告げず別に宿をとり、妻と二人で子供の頃に遊んだ尾道や向島のあちこちを巡りました。
写真は僕の生家がある「歌」という地区の桟橋と近くの海です。

ここでよく釣りをしたり、行き交う船を日がな一日ボーッと眺めたりしていた子供時代でした。

瀬戸内の海は波があまりありませんが、高速船やフェリーなんかが通ると少し高い波が立ちます。
そうしてできた波は、その後ゆっくりと時間をかけて岸の方にやってきます。
波の突端は少し影ができるので、それをジーッと追っかけているとそのうちにバシャーン!と来る訳です。
船が通り過ぎてから波が来るまで、時間にして2〜3分くらいでしょうか?
で、そうこうしているとまた次の船が来る。
波がやってくる......

そうして通り過ぎた船が、遠くの島影の向こうに消えて行くまでボーッと眺めていると、いつの間にか足下の海面が少し高くなっている.....
という感じで一日が過ぎていくのでした。
c0037400_2202335.jpg
こうなると、外的な刺激はほとんどないので、自分がいるんだかいないんだか、生まれてきたんだか死んでいるんだか、よく分からないような気分になって...それが日常であったのですが、頭の中だけは常にとりとめもない事を考えていたりして、それが唯一「生きているんだなあ」と感じられるところだったりしていたものです。

例えば....
「目玉という奴は、夜中にこっそりとこの体を抜け出して、どこかに遊びに行ったりしているらしい。
その証拠に、夜中に不意に尿意をもよおして起きたりすると、何だかふらふらと足下がおぼつかなかったりするけれど、あれは、目玉の奴が焦って戻って来るもんだから、右と左を間違えて戻って来たりするからなんだ。
それから、今までに見た事もない場所なのに、何だか以前に見た事がある風景に出会ったりする。
あれは、目玉の奴が前に遊びに来た事があって、その時見た事を覚えてるからなんだ。....」

と、こんな感じで....
要するに始終、ボーッとしていた訳です。

この風景を眺めていると、そんな子供の頃の感覚が否応無しに蘇って来るのでした。

他の人にとっては何の変哲もないただの田舎の風景でも、自分にとってはかけがえのない風景だったりする....
それは、自分自身の心の影のようでもあったり、体の一部のような感覚だったり....
この土地から感じたエネルギーは、紛う事なく僕の心や体の素型であり、母体でした。
生まれた土地を離れて20年になりますが、今回あらためてこの原風景というものが、分ちがたく自分と結ばれている事を知って、静かに感動しました。

そこは、パワースポットでも聖地でもないのだけれど、へその緒のように自分にエネルギーを与えて続けてくれている大切な大切な場所だったのです。
by yuniwauta | 2005-09-13 23:07 | 尾道残照

ゆにわ主宰          歌島のひとりごと 


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